PressRoom.jpプレスルーム引継帳の余白08305

橋下はん、性根見せなはれ

引継帳の余白~全国紙デスクの日々

08.3.5

 先日の新聞記事によると、大阪府の橋下徹知事が、タレント時代からの自身のマネジャーをしてきた芸能事務所タイタンの社員を広報担当の特別顧問に起用する人事を決めたそうだ。タイタンというと、爆笑問題の太田光さんの妻、光代さんが社長を務めている事務所だ。知事は「広報の仕切りはタイタンの人間じゃないと無理」と言ってるそうだが、知事の公職活動と芸能活動の宣伝が一緒でいいものだろうか。爆笑問題の社会批判のセンスを府政に生かしたいというなら、結構な話であるが……。違うだろうな。

 以前、このサイト「プレスルーム」の記者座談会で、最近の新聞社が静かすぎるという話があって、うなずきながら読んだ。私も経験がある。昨年、松岡農水相が自殺した日、昼食に外出していてニュースを知り、編集局に戻った。ところが、予想を裏切って、静かなのだ。夕刊出稿作業が一段落した時刻だったこともあろうが、ごく普通の事務所という感じだった。不確かな記憶で恐縮だが、その昔、著名な新聞人が「新聞社の編集局にいるだけで、世の中がどの向きに動いているか感じられる」と言ったそうだ。でも、今じゃ、わからんだろうなあ。

 もっとも、これは東京の話だ。以前勤務した大阪は、全く雰囲気が違った。2005年春、JR宝塚線が脱線事故を起こした日の編集局の様子は忘れられない。もちろん、あれほどの大事故である。騒然とするのは当然だが、少々、度を超していた。社会部のデスクが電話口に向かって怒鳴る。遊軍席の記者が大声でメモを読み上げる。整理部のデスクが「早く号外用の原稿を出してくれ!」と叫ぶ……。皆が皆、声を張り上げるので、誇張なしで耳が痛くなってきた。床からウオ~ンという残響が立ち上っていた気がする。

 不思議なもので、東西の文化というか肌合いの違いは、新聞社でもはっきり反映されている。粘着気質の大阪ジャーナリズムの代表選手といえば、大阪読売の「黒田軍団」だろう。戦争や差別問題にこだわり、驚くほどの長期連載を続けた。東京では考えられない姿である。

 タレント活動の延長で、そんな、やや荒っぽくて、しつこい連中を相手にできるんだろうか。当選後、NHKと大人げない喧嘩をしてみたり、言うことがぶれたり、橋下知事への期待は下降気味だ。大阪人は横山ノック元知事で懲りているだけに、手のひらを返すのも早いと思う。

 「橋下はん。ええかっこばっかりせんと、はよ性根入れたとこ、見せなはれ」
そんな大阪弁が聞こえてきそうなのだけど。

LinkIcon花粉症と肥料(08.3.13)

LinkIcon私には夢がある(08.2.25)

引継帳の余白~全国紙デスクの日々 記事リスト

2008年

国際会議(08.8.12)
第3次石油危機(08.6.20)
成長の限界(08.6.13)
顔(08.4.22)
2人の首相(08.4.14)
石原都知事の責任(08.4.1)
花粉症と肥料(08.3.13)
橋下はん、性根見せなはれ(08.3.5)
私には夢がある(08.2.25)
芭蕉は隠密だった?(08.2.14)
中国の闇(08.2.7)
取り付け騒ぎの記憶(08.1.25)
デカ部屋(08.1.15)
政治家の病気(08.1.1)

足腰は弱り体力も落ちたけど相変わらず青臭いこと言っている。そんなオヤジ記者の日常報告。考えるきっかけを提供できれば。 [全国紙デスク]

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