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単身レシピ(2)おいしくてやがて悲しき"1人鍋"

単身デスク 支局らいふ

08.3.18

 いやあ今年の冬は寒かった。長かった。留守宅に受験生がいたため風邪だけはひくまいと気を付けていたつもりなのに、寒風の中を飲み歩いたのがたたって熱を出してしまいました。「治るまで帰ってこないで!」という女房の宣告を甘んじて受け容れた週末の単身メニューは「1人鍋」。暖かくなっていささか時期を外してしまいましたが、昼向きの「1人しゃぶしゃぶ」と一緒に紹介します。

 といっても、鍋だけにレシピもへったくれもありません。鍋に湯を沸かし、材料を入れるだけ。スーパーで4分の1の白菜、エノキダケ、鶏肉、ニンジン、シラタキ、焼き豆腐、刻みネギ(パック入り)を仕入れ、それぞれ適当な大きさに切る。ニンジン、白菜の固い部分、鶏肉……と、火の通りにくいものを先に入れ、刻みネギを入れたポン酢醤油で。つゆの素で味付けしてもOKです。ニンジンを薄く、鶏肉を小さめに切れば調理時間は短くなります。白菜は端から切ると固いところだけが残ってしまうので、必要なだけ1枚ずつはがしてから切ります。

life080318-1.jpg1人鍋(醤油味)  これだけのためにカセットコンロを買う気もしないので、食べるのはガスレンジの前。端から見ればおかしな光景ですが、料理が趣味じゃない人間でもおいしくできるのが鍋。「心理的障壁」さえ乗り越えれば至福のときが待っています。温まって栄養があり、消化もよい。「あ~うまかった」「もう食えねえ~」「アチ~」と、誰もいない部屋で1人声を出す自分に気づいて一瞬、むなしさが首をもたげますが、満足感で押さえ込みます。

 さて、微熱ぐらいでは会社を休むわけにもいかない。「栄養をつけなくちゃ」という強迫観念にかられて昼休みに食すのが豚しゃぶ。しゃぶしゃぶ用の肉は割高なので、ほかの料理にも応用の利くこまぎれ(豚汁用」と表示していることもある)を使います。野菜は白菜を使ってもいいのですが、よほど小まめにアクを取るか、肉とタイミングをずらして入れないと、葉のシワシワの部分にアクがこびりついて取れにくい。

life080318-2.jpg重宝する「刻みネギパック」 昼食は30分以内という自分に課した方針もあり、私はほうれん草を使います。ニンジン、エノキもあれば、なお結構。たれはポン酢醤油と刻みネギ。大根おろしも、といきたいところですが、男の単身生活で大根を使いこなすのは難しいので断念します。ネギももっぱらパック入りの刻みネギ。冷凍するとヘタりますが、長ネギを買っても余らせるだけなので結構重宝します。

 ガスレンジの前の1人しゃぶしゃぶは、1人鍋よりもずっと忙しいことになります。アクを取りながら、肉をしゃぶしゃぶ……。写真を撮るヒマもありません。それでもうまいことに変わりはありません。同僚に教えてもらい、我が家の定番メニューになった豚しゃぶのバージョンの一つに「ポパイ鍋」があります。鍋にニンニクを入れ、ほうれん草を使うだけですが、理にかなっていて(ビタミンB1の効果が長続きする)、風邪ひきさんにはぴったりです。これは冬以外にも夏バテ予防におすすめします。

 熱はあっても食うことだけには執念を燃やす。40度近い熱を出した娘が夕食のにおいにつられて起きだし、残さずたいらげたのを見て「血は争えない」と、笑ったのを思い出しました。

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