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大衆化するフランス政界

ママ記者ののぞき目・聞き耳

08.1.22

 フランスの政界がにわかに騒がしい。と言っても、大統領の周辺だけの話だが。

 現在のフランス大統領は、ニコラ・サルコジ氏。2007年5月に、フランス初の女性大統領誕生へと注目を集めた、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル氏を下し、フランス第5共和制下の第6代目大統領に就任。ハンガリー系2世移民で新保守派、親米派という、これまでのフランス大統領史上異色の存在だ。ジャック・シラク前大統領のもとでは内務大臣として、2005年にフランス全土で発生した暴動事件の際に強硬な政策で騒動を鎮圧し、支持を集めた。そのカリスマ性や言動は、フランス版小泉純一郎元首相といった印象だ。

 このサルコジ氏の支持率が現在急落しているという。1月20日付けの仏週刊紙「Journal du dimanche」が報じた世論調査によると、支持率は47%。前月より5ポイント減で、ついに不支持率が上回った。不支持の主な理由は、大統領の派手な私生活。2007年10月にセシリア前夫人との離婚を発表するや否や、年末には、元モデルで歌手のカーラ・ブルーニ氏との交際報道。堂々とバカンスに出掛け、2008年年始の挨拶では、公の場で交際宣言。最近の報道では、既に入籍したとかしないとか、日本でも伝えられる始末だ。さらに、セシリア元夫人は自身に関する書籍の出版差し止めが棄却され、サルコジ氏の私生活がまたしても暴かれることになりそうな展開だ。

 こうした政界のスキャンダラスな報道は、日本ではそれほど珍しいことではない。政治家の愛人問題を暴いた記事は、週刊誌で度々目にする。しかし、フランスという国は元来、「政治家の私生活に立ち入るべきではない」というような暗黙の雰囲気が国民全体を支配していた。かつてフランスで生活していた経験から言うと、彼らはとても個人的で「人は人」という感覚が根底にあり、政治力と私生活を別物ととらえる節があった。

 日本なら国のトップに愛人が発覚しようものなら、「けじめがない!」と即退陣に追い込まれるのだろうが、フランス人は「大統領たるや愛人の1人や2人いても当たり前」と考えているところもあり、2003年に当時のシラク大統領と日本人との間の隠し子の存在を書いた暴露本が出版された際にも、騒いでいたのは英国をはじめとする外国メディアだった。フランスには日本のワイドショーのようなテレビ番組はないけれど、有名人を扱ったゴシップ系写真誌はここ数年何誌か見かけるようになり、フランス人も変わったと思う。とはいえ、今回の一連の報道はサルコジ氏の自作自演だとする説もある。メディアを利用して、政策上の重要課題から国民の目をそむけさせる作戦だとか。

 現在、53歳のサルコジ氏。恋人とディズニーランドでデートしたり、いつまでもお盛んな大統領が日本人の目にはちょっとうらやましく思えるかもしれない。そういえば、先日、“文さん”(アナウンサーの山本文郎氏)も73歳で30歳年下の女性と再婚したそうだから、日本人だって決して負けてはいない。とはいえ、73歳の女性が30歳年下の男性と再婚するという話はあまりなさそうだ。ちょっと不公平だ。

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子育てしながら毎日奔走するフリー編集者&ライターが、暮らしや仕事を通して気になるテーマやトレンドをカジュアルに記録。 [神野恵美]

神野恵美(雑誌、ニュースサイトライター・編集者)=元週刊誌記者・編集者、元在欧州新聞記者・編集者

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