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[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた](2)秋夕で飲食店は軒並み休業
●日本ブランドのホテルにはやはり安心感が●
東横インは韓国内に11ヵ所あり、釜山には5ヵ所。フロント担当者は日本語ができ、各部屋には日本のA型コンセント口や温水洗浄便座が完備され、浴衣のような寝間着も提供されるなど、日本と変わらないサービスでストレスを感じることが少ないのが魅力だと言える。
フロントで予約確認書を見せると、日本人客が多いホテルだけあり、日本語が堪能な笑顔の女性スタッフがスムースに手続き。部屋に入れるのは午後4時からのため、2時間あまりある。荷物を預け、今回の旅の目的の1つでもある辛いチゲ(鍋)を食べに行くことにする。
もし現地の人に「両国関係が最悪のこんな時期、日本人のおまえは何のために韓国に来たのか」と詰め寄られたら「本場のチゲを食べに来た」と答えよう、と決めていた。これは本当のことでもあるし、自分たち独自の食べ物を好む相手に危害を加えないだろうと、考えた。
インターネットやガイドブックで調べたところ、ホテル周辺には飲食店が何軒もあるようだったので、とりあえず歩き始めた。確かに店はたくさんあった。しかし全て閉まっている。秋夕当日だから仕方がないとはいえ、ここまでとは思わなかった。開いているのはコンビニだけ。
●韓国料理のカフェで「ジャパニーズ?」と聞かれ●
釜山駅の構内ならさすがに食べられる店はあるのでは、と思い浮かび、駅に。正解だった。ほぼ全ての飲食店が開いている。すし屋、ベトナム料理店、コーヒーハウスなどが並ぶ1階の一角に、韓国料理を出すカフェを発見。空腹に耐えられず、何も考えずに店に入ることにした。
カウンターで注文して代金を払い、後で料理を受け取りに行く仕組み。カウンターの前に立つと、店員のおばさんが「ジャパニーズ?」と聞いてきた。飲食店にには不安があった。日本人に料理を提供しなかったり、高い代金を取ったりするような嫌がらせがあるのではないか、と。
来た! 日本人か確認して何かするつもりかと思った。おばさんは、カウンターの横に立てかけてあった何枚ものメニューから日本語版を取り出した。ん? どうやら日本語、中国語、英語といった各国語のメニューがあり、客にどこの人か聞いて選ぶようにしているようだった。
私は一応、ハングル文字が読める。40歳を過ぎてから覚えた。知人たちはすごいね、と言ってくれるが、そもそも、教養がなくても1週間でマスターできるように、と15世紀に作った“発音記号”なのだから、誰でも習得可能なはず。読めることで行動の幅が広がり、不安も減る。
それはともかく、外国人客へのサービスとして出すメニューの言語を決めるために、日本人か聞いただけだった。スンドゥブ(純豆腐)チゲを注文。赤い唐辛子をふんだんに使った本場のチゲで、味はまずまず。代金も、壁に書かれているハングル文字のメニュー料金と同じだった。
●ホテルの部屋に落ち着くと緊張が解けて睡魔が●
強めの辛さに満足してホテルに戻り、部屋に入る。日本人客が多い日本のホテルだけあって、日本人という理由で変な部屋を割り当てられることがないのは安心だ。部屋は10階。窓からの眺めは、正面こそ10mくらい先のオフィスビルの壁・窓だが、左手に港が見えて悪くない。
部屋に入ってひと安心すると、緊張が解けたためか、急に睡魔が襲ってきたので仮眠を取る。暗くなる頃に起き、持参したノートパソコンを開く。秋夕と関係ない日本は平日の金曜。仕事のメールがたくさん届いているし、やるべき作業もあった。Wi-Fi接続も問題はなかった。
夕食はホテル近くのコンビニで総菜などを適当に仕入れ、こういう時のために日本から持参したカップ麺とともに食べて済ます。東京でもお盆期間は東京駅周辺の店は閉まっているよなぁと思い、新宿や池袋なら大丈夫と考え、明日は釜山最大の繁華街、西面に行こうと決めた。(A)=フリーライター(元全国紙記者)、50代・男
◆記事最上部の写真は、釜山駅前の大通りから入ったエリア
[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた]記事一覧
(1)釜山-慶州-ソウルの縦断に出発
(2)秋夕で飲食店は軒並み休業★表示中★
(3)総領事館前の“慰安婦像”
(4)釜山から慶州に足を伸ばす
(5)釜山駅からKTXでソウル駅へ
(6)KTXでソウル駅到着、明洞に
(7)ソウルでも不快なことはなし
(8)まとめ、秋夕に注意/観光客は歓迎