[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた](5)釜山駅からKTXでソウル駅へ

●日本人への嫌がらせリスクを減らすために1等席を確保●

秋夕休み明けの9月16日の月曜、釜山駅正午発のソウル駅行きKTXに乗る。KTXはインターネットで席を予約してクレジットカードで決済できる。スマートフォン用アプリもあり、ウェブサイト、アプリとも日本語版が用意されている。15日までは秋夕で空席がなく、何とかこの日の列車が取れた。

駅に改札はなく、KTXの車内でも検札をしない。東海道新幹線でも近年、指定した席以外に座っている人を除いて切符を確認しないが、それと同じ。しかし、駅に改札が存在しないというのには、何となく違和感がある。見送りや出迎えの場合に入場券を買わなくてもいい、という利点はあるが。

ウェブサイトで1等車を取った。広い席に座りたかったのではなく、2等車だと種々雑多な層の乗客がいて、日本人に嫌がらせをする人もいるのではないか、と考えたからだ。1等車だからといって安心はできないが、2等車よりは乗客の気持ちに余裕があり、殺伐とした感じはないはず、と思った。

微振動がなくまずまずの乗り心地だった。スピードがさほど出ていないということの証明でもあるが。ただ、車体や窓ガラスが汚れている。清掃頻度が低いように感じた。車内では、釜山駅構内の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」で買い込んだドーナツを食べたり景色を眺めたりして過ごした。

KTX釜山駅の構内

●駅で困っていた日本人観光客を助けるドーナツ店の若者●

クリスピー・クリーム・ドーナツといえば、釜山駅で中高年男性と老婦人の日本人観光客を助けてあげている若者(男性)がいた。その若者はクリスピー・クリーム・ドーナツの制服を着て、荷物を運んで歩いていた。私が、店はどこにあるか聞こうとした時、中高年の男性が彼に英語で声を掛けた。

コインロッカーに荷物を入れたものの、開けられなくて困っているようだった。中高年男性が話す英語に「あの」「ええと」「それで」の日本語が混じるうえ、コインロッカーの決済機に通そうとしたクレジットカードが「楽天カード」と「セゾンカード」だったので日本人に違いない、と判断した。

クリスピー・クリーム・ドーナツの若者はコインロッカーの業者でもないし駅の係員でもない。にも関わらず、5分以上も中高年男性に付き合い、あれこれ試していた。最終的には現金を機械に入れて開いた。若者が日本人だと知って親切にしたのかは分からないが、何となく心温まる光景だった。

その後私は彼にクリスピー・クリーム・ドーナツの場所を聞いて店に行き、彼からドーナツを買った。それはともかく、KTXの1等車の上部にはモニターがあり、日本語の案内も表示され、迷うことはなかった。田園地帯や地方都市の風景を眺めているうち何ごともなく午後2時48分にソウル駅に着いた。(A)=フリーライター(元全国紙記者)、50代・男

KTX1等車の車内
モニターに表示される日本語の案内

◆記事最上部の写真は、釜山駅に到着したKTX。ここから折り返す

[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた]記事一覧

(1)釜山-慶州-ソウルの縦断に出発
(2)秋夕で飲食店は軒並み休業
(3)総領事館前の“慰安婦像”
(4)釜山から慶州に足を伸ばす
(5)釜山駅からKTXでソウル駅へ★表示中★
(6)KTXでソウル駅到着、明洞に
(7)ソウルでも不快なことはなし
(8)まとめ、秋夕に注意/観光客は歓迎

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