[健康=メタボの行き着く先](74)手術中のBGMに“残虐王”のデスメタルをリクエスト

人工透析用に手術で太くした動脈「シャント」がどうなってるか検査して手術してもらう段取りは、紹介状も含めて透析クリニックの方で全部手配してくれました。検査の結果「これは手術で太いシャントを作らないとダメだね」ということになり、1週間ほどの入院込みの手術となりました。シャント造成手術をした後、順調に血流を確保できているかも、様子を見ないといけないからです。透析を回して造成部分がつぶれるようなら再手術をしなければなりません。

手術は2人のドクターが行います。のんきにCDがかかっていたので「ドクターって手術の時、本当に音楽かけるんだー」と思いましたが、部分麻酔で自分も聴きたい音楽があったので「先生、BGMをデスメタルの『カーカス』にしてください」と頼んでみました。

カーカスといえば、医療用語をでたらめに並べて人体を切り刻む様子を歌う“残虐王”として有名なデスメタルバンドです。今は路線をグラインドコアから変更し、むしろ王道メタル寄りになっていますけど、大好きなバンドです。

なにせファーストアルバムのジャケットは死体写真のコラージュで、1963年に射殺された米国のジョン・F・ケネディ大統領の脳みそ垂れ流し写真です。特に初期は下水道ゲロボイスが響き渡ります。国内版の日本語タイトルがまたすごいです。「腐敗臭」「腐ったはらわた」「屍体(したい)大好き」「寄生虫の卵」「はらわたの膿」などなど、正気とは思えないのですが、あながち遠くない和訳だったりします。

↑「Reek of Putrefaction」(邦題「腐乱屍臭」)

↑「Wake Up and Smell the Carcass」

するとドクターは笑って「デスメタルを手術のBGMか。いいねえ。でもCDないんだよね」と返してくれました。まさにブラックジョーク。デスメタルファンとしては、残虐王の極悪サウンドを聴きながら切り刻まれるという夢のようなシチュエーションを実現するチャンスだったのですが、次回手術のときには用意して臨みたいと思います。

とはいうものの、手術そのものは40分とかからずに終わってしまいました。あとは経過を見るだけです。困ったのは、この病院は病室のあるフロアから自由に外へ出られないのです。そのため、売店で菓子も新聞も買えません。自動販売機でコーヒーを買うのがやっとです。一番きつかったのは駐車場に止めてある車まで行ってタバコを吸えなかったこと。

こういう不良患者対策なのでしょうが、いい迷惑です。新型コロナウイルスに感染した患者で大した症状がない人だったらガラス扉を割って脱走するかもしれません。入院中はもちろん透析がありました。この時にどこのシャントを使っていたのかはもう覚えていません。その後、新しいシャントが無事太さをキープしていることを確認して退院し、クリニックでの透析に戻りました。

それからまだ10年経っていないのですが、今度は血液を抜く側のシャントが怪しくなってきました。皮膚に近い側の血管が血栓のせいでつぶれてしまい、その下を流れる血管に刺すのが正解になったのです。慣れていないと、これはトラップで、皮膚に近い方を探りがちです。この場合は、刺し直しです。当初はそれが分からずトラブルが多かったのですが、エコーではっきりしました。これは前回書いた通りです。

しかしトラップ下の血管も、除水量が多いと透析の終わり間近に痛みが出るようになってきました。今では、血液流量も1分あたり350mLだったのが300mLまで下がってしまい、それでも最後にギブアップです。血管の硬化も進んでいるのでしょう。収縮して血液を送ることができなくなり始めているということです。

もしかすると、近いうちにまたシャントの手術をする可能性もあります。その時も、またあの病室フロアを脱出できない病院になるかと思うと、気が重くなります。タバコは一時的に一酸化炭素を充満させるのと、血管の硬化を招くので血液にはよろしくないんですよね。肺よりもそっちの方が個人的には気になりますが、今日も1日1箱半を吸い散らかしています。特に原稿を書く時、なくてはならないのですよね……。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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