[健康=メタボの行き着く先](51)わめきちらす元ヨメからの電話と抜け目ない息子

東日本大震災があった2011年と翌2012年の夏は、息子と海でボディボードやシュノーケリングに明け暮れていました。地震での津波の映像は衝撃でしたが、直接の被害に遭っていません。また、波間に漂っていると水死体になって朽ちたいという自分の破滅願望も満たされるのです。

息子は、離婚した元ヨメとその新しい旦那と暮らしていたのですが、そんなことをしている間、成長して小学校を卒業し、公立中学校に入学しました。その頃に息子と会うと、家の様子をこと細かに話してくれました。ちょっと“ヤンキー”ぽいコーディネートで固めていたのをニヤニヤしながら見つつ……。だってヒョウ柄にダボパン、パンツ見せですよ。「恥ずかしーーーー。年頃ねえ」と微笑ましかったものです。

実際、その頃の息子はかなり親(元ヨメとその旦那)に反抗的になっていたようです。しかし、よくよく聞くと、何かといちゃもんの口火を切るのは、意味なくキレたり怒鳴ったりするあの元ヨメです。向こうがキレてくるから自然とキレ返すことになる訳です。
※元ヨメの戦慄(せんりつ)エピソードは、この連載の第21~26回をご参照ください。

自分が予想していた通り元ヨメは、子供がやがて反抗期を迎えることを甘く見ていたようです。困ったのは、激高した元ヨメが電話してきて、息子がひどい、と何か意味のよく分からないことをこちらの都合も考えずに一方的にわめきたてることです。

そもそも親権者は自分ではないので、家庭を円満に運営したいのであれば、今の旦那に報告して叱ってもらうべきでしょう。ところが、その旦那は自分の実の子供とすら遊ばず、何もしないし、帰りはいつも深夜。家庭の運営どころか、息子いわく「何も考えていないバカ」。家に早く帰るとヨメとけんかが始まるので、薬で寝静まるまで帰って来ないようにしている、と息子は言います。

息子のことは、今の旦那より遥かに関心があり、話も聴いているし、性格も知っている。そこで自分のところに電話が来るわけです。元ヨメの言うことは、たいてい独りよがりの勘違いであることが多いので、息子に電話を代わってもらうと、もう言い分がまるで違うのです。

一番多かった話は息子の部屋が汚いという問題なのですが、これについては元ヨメに週1回部屋をチェックして勝手に片付けろ、と何度も何度も頼んでいるのにやっていない。そもそも自宅が片付けられない人なのでもうひどい。今の旦那も関心がないようです。

元ヨメから送られてきた息子の汚い部屋の写真。片付けるのを見張るとか手はいくらでもあるはず

そんな中、元ヨメの中の「女」がうずき、旦那の帰りが遅いのをいいことに不倫を始めたという情報が息子から入りました。不倫相手や、あげくその妻を相手に、窓全開で近所に丸聞こえの大声で激しく電話でバトルをしているのだといいます。

抜け目ない息子は、それをICレコーダーで録音。いざという時に突きつけるのだそうです。もちろん、会話は家の中にいる小さい弟や妹にも丸聞こえ。息子だけでなく、この2人にも明らかに当たり散らすようなことをしていたらしいのです。とんでもない人間です。

そして、元ヨメが留守の間息子は、机の上に無造作に置いてあった弁護士に出す書類の下書きを携帯電話で撮影。と、証拠が確実に積み上がっていきます。元ヨメはうつで薬を酒で流し込んでいるので、ずさんそのものです。

旦那がこのことを全く知らないまま裁判が進行しているというのは恐ろしい話です。元ヨメはきっと、不倫相手にも非破壊検査をやったに違いなありません。それはもう地獄でしょう。不倫相手は「何で? 話が違っていませんか」と思いつつ泥沼に足を踏み込んだ訳です。

裁判は旦那が知らないうちに結審し、元ヨメが敗訴してどこからかカネを調達して払ったそうです。その間、旦那は夜中に帰ってきて、土日も仕事といって家に寄り付かない。もちろん、そんな嫌な女を抱くことはなかったでしょう。もう被害者の会を結成できるレベルです。

ここまで家庭が荒れていれば、そりゃ息子も反抗的になるのは当たり前。それすら分からない母親とはもう引き離したほうがいいのではないか。この先、状態が悪化する一方なのは明らかです。教育環境的には、大学進学までは今住んでいる場所のほうがまともなので、それまで踏ん張ってもらいたい気持ちはありました。が、実はすでにこの時、カウントダウンが始まっていました。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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