長野県豊丘村の寺院、曹洞宗長松山洞岩寺は、自然葬の1つとして近年注目されている樹林葬の墓苑=写真=を開発した、と発表した。本堂東側の中央アルプスをのぞむ丘のヒノキ林を再生して里山の空間を設け、墓苑として利用できるようにした。永代供養の墓となり、個人の遺骨を墓苑に埋葬した後、同寺が墓の維持管理や供養を行う。
それぞれの区画の土の中に遺骨を直接埋葬。遺骨は長い年月をかけて台地の一部になる。自然葬は、命は巡るという仏教の自然観を体現している。樹木葬は、樹木や草花を墓標にして埋葬する方法を指す。洞岩寺の樹林葬墓苑は森の先に各区画があり、大きな墓石に代わり、そこに眠る人の名前を刻んだ小さな石のプレートを置く。
標高約600mに位置し、総面積2300m2、416区画となる。1区画は間口1.2m、奥行き1.2mの広さがあり、中心にプレートを設置する。各区画は何人でも利用可能。費用は、1区画あたり1人目が50万円(非課税)、2人目からは1人について月20万円(同)となる。三十三回忌までの永代供養料と永代使用料、管理費、埋葬費、諸経費を含む。
洞岩寺は鎌倉中期に開かれた古寺。曹洞宗は一般に禅宗といわれる。豊丘村は、中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那盆地にある。伊那盆地は自然が豊かで水に恵まれ、農業が盛ん。アクセスは中央自動車道、JR飯田線を利用することになる。計画が進むリニア中央新幹線の駅の開業も予定される。見学は随時受け付けている。