凸版印刷は、飲料向け紙カップで、バイオマス(生物資源)素材のセルロースナノファイバー(CNF)を利用した製品「CNFエコフラットカップ」=写真=を開発した、と発表した。高いバリアー性と密閉性を持つ。CNFは固形食品用途にしか使えなかったが、この紙カップによって液体にも使用できるようになる。4月にサンプル出荷を始める。
CNFは、紙の原料になる木の繊維を微細化した環境配慮型の新素材。軽くて強く、熱変形が小さい特長があり、自動車、家電をはじめさまざまな分野での活用が期待される。凸版印刷は日本製紙グループと性能改善を進め、今回、CNFをコーティングした原紙を使用することで、プラスチック使用量が半減できる紙カップを開発した。
紙カップ内側のCNF層でプラスチックカップ並みのバリアー性を確保すると同時に、凸版印刷の成型技術を生かした特殊加工による完全密閉構造で長期保存を実現している。価格は従来の飲料用プラスチックカップとほぼ同等となる。プラスチックから置き換えられる環境配慮型製品として飲料メーカーや流通企業などに販売する。