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[健康=メタボの行き着く先](57)心肺停止のダメージは? リハビリしながらの入院期間
一酸化炭素中毒による心肺停止を8分間経験して、一時的とはいえ確実に死んでいた自分ですが、その影響がないのかを見極めるための入院が続くこととなりました。とはいえ、当時の記憶はあまりなく、話しづらいとか、手足の動きがぎこちないと感じていたことはなかったように思います。記録をひっくり返すと、リハビリ計画書が出てきました。自覚はなくても、はたから見ると異常があったのかもしれません。
リハビリでまず初めにやったのは、脳機能が落ちていないかを判定するテストです。これはたまに透析クリニックでもやられるのですが、「100から7ずつ引いた数を言っていく」「絵を見せて別の問題をやった後に何が描かれていたか思い出して言う」「野菜の名前を5つ以上言う」など、記憶や思考に異常がないのかをチェックします。これはこれですごく緊張します。
なぜかというと、入院中は特にそう深く考えたり思い出したり、計算することがないからです。計算ももともと苦手なので怖くなります。たぶん反応時間や、ろれつなども同時にチェックされていると思いますが、まずはここからスタートです。
で、肝心のリハビリはというと、記録によると病室で20分ほどしかしていないのです。計画書では同意のサインをする時点での行動評価が記入されていました。それによると、身辺動作がトイレ動作以外はすべて全介助です。これはICU(集中治療室)にいた時のもの。食事、整容、清拭、更衣(上下)です。ほかに階段移動、排尿コントロール、コミュニケーションが「1」でした。
ICUでそんなにしゃべられないってえの。それにICUから病室への移動、トイレに行く時は車椅子を使います。これは血圧の急低下による転倒防止のためです。加えて脳に血がいっていなかったので、歩けない場合も想定されます。なので、具体的アプローチ欄には「歩行練習」「応用歩行練習」「階段昇降練習」「日常生活動作練習」と記入されていました。しかし、理学療法の時間は病室で20分。実際には全てやったわけではありません。
まず、朝起きて顔を洗って歯を磨くことは自主的にやっていましたし、トイレにも、病室に移ってからは車椅子なしで行っていました。階段昇降は踏み台昇降運動をやらされたような気がします。あとは手を開いて握って、指を順に開いたり。足は任意で力を入れて振り上げられるかをチェックして終了、という感じだったと思います。
一般病棟に移ってからは、地下に売店があることを知って、朝イチで新聞とコーヒー缶、昼の飲み物を買いに降りていたくらいなので、特に問題ない気がするというのは自分でも分かっていました。しかし、どこかの血管がイカれる寸前かもしれないので、2週間入院して様子を観察したというわけです。
人工透析患者であるということも、もしかするとあったかもしれません。病院でも透析は続きました。夜間ではなく、昼の透析です。だいたい午前11時ころからで、透析を終えて戻ると、食べ損ねた透析患者用の透析メニューの昼飯が置いてある感じです。入院食の透析メニューは高リン、高カリウム食品が控えめなので、味気ないったらありゃしません。パッサパサなイメージです。
そこで売店で補助食(笑)を購入していました。就寝時間の午後10時に眠れるわけもなく、午前0時過ぎまでテレビを見るか本を読むという生活になっていて、腹も減ってくるからです。そんな毎日を過ごして経過観察されたわけですが、異常はなさそうなので、最後にMRI(磁気共鳴画像)を撮って異常が発見されなければ退院、という運びになりました。
検査結果は異常なし。そのまま、今回の騒ぎの元凶である妹の運転するクルマで帰宅しました。近所の人はたぶん、救急車騒ぎを知っていることでしょうが、知ったことではありません。こっちは隣家のアル中オヤジがわめいて警察が来たり、精神疾患持ちの娘がヒステリーを起こしていたりしているのも知っているし、別の隣家はゴミ屋敷化、その奥は虐待かよという勢いで母と祖母が孫を叱っていて負の連鎖まる分かりです。
なので、どうということはないのです。そもそも、ほとんど顔を合わせることもないし。死んだと思っていた奴、ザマーミロですが、死に損なったのは少し惜しい気持ちもありました。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半
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