[暮らし=防災]千葉県の停電・断水被災体験記(上)人工透析のクリニックは水浸し
いまだに(9月17日現在)停電問題が解決しない千葉県。その内陸部在住のUと申します。「メタボの行き着く先」の連載を書かせていただいております。自分も停電・断水の被災者になっておりました。幸い、現在は解消しましたが、いまだ未解決の箇所が市内にもあり、被災生活を送っている皆さんが心配です。
実際、どういう感じなのか、未曾有の停電災害経験を語りたいと思います。また、これがあればよかったという点も加えておきます。スマートフォン(スマホ)だけあればいいというわけではないのです。そんなことが何もなかった東京都民には、というか、霞が関の役人には知っておいてほしい。
●台風、千葉市に上陸、そして停電●
9月8日(日曜)夜の台風が千葉市に上陸したまではテレビの台風情報で知っていました。それまでは晴れていたので「ホンマかいな。でもどうせすぐに抜けるだろう」くらいにしか考えてませんでした。
その後、風雨がひどくなり、真夜中すぎから明け方までは風で家が揺れていて正直眠れませんでした。といいつつ寝落ちするわけですが。
そして朝起きると、つけっぱだったエアコンもテレビも消えています。日曜はひどく眠くて、風呂も入らず寝てしまったのでした。
どうやら近所も同じようで停電の模様。朝からやいのやいの騒いでいます。
これまでも停電はありましたけど、まあたいがい数時間、東日本大震災(20011年3月11日)のときですら確か一晩ほどで復活したので、今回もその程度と思ってました。
この日は、息子のauスマホは圏外、自分はドコモ回線の格安SIMだったのですが、アンテナ線こそ立ってないものの、かろうじてメッセンジャーは使えました。
ということでテザリングでなんとか仕事をやり過ごしますが、とにかく残暑がひどい。自室は2階にあるので余計に暑いのです。幸い、この日はまだ台風の余波で風があったので窓を開け放って仕事を続けました。
翌9日(月曜)は人工透析の日なのですが、やっているのか不安でしたが、透析クリニックは非常電源を備えているし、電話もかかってこないので、まあ、やってるだろうと行ってみると・・・ぶっ壊れてました。
エントランスの天井が崩壊し、室内も水浸しだそうで、後に聞いたところでは天井から水漏れ、断熱材も水浸しだったとか。その片付け真っ最中。
クリニックでは電話をしていたのですが、つながりにくかったようです。ということで、急きょグループの別のクリニックへ。割り当てられた所は18km先にあります。ガソリンはまだ大丈夫ですが、残りはメーターで4分の1程度。
向かってみると分岐で大渋滞。その先は幹線道路でさすがにそこは信号が機能していましたが、そこまでは信号真っ暗です。
道に沿ってある林の木もだいぶ折れてました。死んだ樹木の匂いが漂ってます。ちょうどそういう本を読んでいたので、なおさら気になりました。
割り当てられた別のクリニックでは、いつも4時間半の人工透析を3時間で終了。
幹線道路は明かりも付いていて、ガソリンスタンド(GS)も営業しており、対向車線のGSは長蛇の列。しかし、帰り車線はほんの2、3台待ちで入れ、たっぷり満タンにしました。ノートパソコンのバッテリーも切れたので、翌日(9月10日)は都内の編集部に行くため、ガソリンは入れられるところで入れておかないとたどり着けません。
しかし、幹線道路を外れると周囲も真っ暗。カーブしているかどうかも分からず、なかなかの恐怖です。街は死んでいるかのようでした。 (U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半
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