[健康=メタボの行き着く先](15)低血糖に備えるための教育入院

前回に引き続き、インスリン導入の教育入院についてお話しましょう。今回は、糖尿病患者にとって危険な低血糖についてです。

健康な人でも、お腹がすき過ぎると、身体に力が入らなくなったり、筋肉に痛みが出たりすることがあると思います。そして、フラフラしてちゃんと歩けないとか、脱力感を感じがちになりませんか。手指の震えが起きることがあるかもしれません。

ないのであれば、問題ありません。身体の糖は足りているようです。

低血糖の症状は、まさに今挙げたような状態です。ついでに冷や汗もダラダラ出てきて、視野は暗くなり、緑色の光などが見えるようになります。こうなってくると、気絶寸前の状態で、記憶も曖昧になってきます。

何もしないで放置しておくと、ひどいときは昏睡してそのまま死に至ることもあります。

インスリン導入で教育入院するのは、患者が万一、この低血糖状態になった場合、すぐに手当をするためでもあるのです。

糖が余っている糖尿病患者が低血糖、というと不思議に思われるかもしれませんが、教育入院中は平時より食事のカロリーを制限しています。

家では懲りずに爆食していたとしても、病院ではそうもいきません。普段の血糖値が高ければ高いほど、これだけでも低血糖症状が出たりするのです。まして、そこにこれまで不足していた食料の糖分をエネルギーに変換するインスリンを強制的に注射するわけで、低血糖は起こるべくして起こるともいえます。

入院中は食前に血糖値を計測して適量を注射するのですが、たとえば、食事に出たヨーグルトなどを小腹が減った時のために取っておいたり、食欲がなくて全て食べきれなかった、などで血糖値が予測より上昇しない場合があります。

また、食後に散歩をし過ぎたりすると糖が使われるので、低血糖になることもあります。

さて、では低血糖になった時、どうすればいいのでしょうか。

簡単です。糖分を急いで取るのです。

病院では、吸収の速い純粋なブドウ糖のタブレットなどを急いで経口投与します。自分が低血糖になった場合はだいたい8つのタブレットをぶち込みます。自宅で発症した場合はこれにジュースや、果糖を含んでいる果物をとにかく詰め込んでいます。最高に効くのが「コカ・コーラ」です。

軽度の場合は、これでしばらくすると血糖値が上昇してくるのですが、重度の場合はブドウ糖入りの生理食塩水を点滴投与することになります。

高血糖も身体の中を“メタメタ”にするのですが、低血糖もまた厄介なのです。寝ている夫にインスリンを2、3本といったものすごい量を注射して殺した事件がありました。このような場合は30分もしないうちに昏睡状態に陥り、そのまま死んでしまいます。

自分は親と折り合いが悪いので「殺したくなったら、寝ている間にこれ1本まるごと、なんなら冷蔵庫にあるのも入れて2本、足から注射しろや!」と手口を教えてあります(冗談です)。

もちろん、自殺にも使えるのですが、低血糖の苦しみを知ってしまうと、とてもそんな気にはなれません。あれのひどいのが来る、と思うとなかなかの恐怖です。

皆さんは、決してまねしないようにしてください。

言っておきますが、糖尿病でインスリンを導入したから、と悲観的になることはありません。なぜなら、まだまだ序の口だからです。問題はその先なのです。

食事とインスリンできちんと血糖値がコントロールできていれば安心です。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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