[暮らし=単身赴任ライフ](5)たまにはスローフード

 週末も赴任先で過ごさなければならないときは、スローフードをつくってみようという気になる。最近はまっているのは「炊き込みご飯」=写真上=と「煮物」(鶏そぼろあんかけ)=写真下=だ。といっても料理本を見てつくるわけではなく、女房が普段つくっているのを見よう見まねでやってみる。

 分からなくなると携帯電話で指示を仰ぐ。日頃の電話ではそっけない女房殿も、料理の指南となると機嫌良く「あら、えらいわね」などと、こと細かく教えてくれる。さては定年後の家事分担を視野に入れているのかと勘ぐりたくなるが、それはさておき炊き込みご飯から。

◆炊き込みご飯
 用意する具は鶏肉、ニンジン、油揚げ、シメジといったところ。鶏肉は小さめに切り、砂糖と塩をすり込む。ニンジンは千切り。油揚げはボウルに入れて熱湯をかけ、油抜きをする。たいてい3枚入りで売っているので、使わない分は油抜きした後、ビニール袋に入れて冷凍保存する。重ねずにビニール袋の中で並べて冷凍すると、1枚ずつ使うのに便利だ。味噌汁をつくるときに重宝する。シメジは洗って適当な大きさにするだけ。

 米をとぎ、最初は水を少なめに入れて、つゆの素、みりん、酒を適当に入れる。ちょっと濃いかなと思うぐらいがちょうどいい。その後、水を規定量まで入れて具を載せて炊くだけだ。作るときは3合炊いて、あまりはラップで1食分に分けて冷凍保存する。朝食なら、おかずがなくても十分だ。

 いつも簡単な料理ばかり食べていると、無性に煮物が食べたくなってくる。カブの鶏そぼろあんかけが好物だが、単身生活で試したことのなかった大根に挑戦してみた。

◆鶏そぼろあんかけ
 大根は3センチぐらいの輪切りにしたものを4つに切り、下ゆで。米のとぎ汁を入れるのは分かっているが、無洗米を使っているので、米をひとつまみ入れる。楊枝が通るようになったら水をかえ、沸騰したところで鶏胸肉のひき肉を入れ、砂糖、酒、つゆの素、みりんで味付け。ある程度大根に味がしみたところで水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。味は上々だった。カブを使えば下ゆでは必要ないので、あっという間にできる。

 炊き込みご飯と煮物、味噌汁があれば、結構幸せな気分になれる。つい食べ過ぎてしまうのと、塩分の取りすぎが難点と言えば難点だが。(N) =新聞社の地方支局デスク、40歳代後半(執筆時)

[暮らし=単身赴任ライフ]記事一覧
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(2)汗と涙のメタボからの脱却
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