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[健康=メタボの行き着く先](34)爆弾を抱えた体のまま退院、血糖値は400に
大動脈解離という、生命を脅かしかねない病気で緊急入院、ICU(集中治療室)に直行した自分ですが、前回の記述通り、特に手術もすることなく経過観察で様子を見るという結論で無事? 退院することになりました。
とはいえ、体に爆弾を抱えているようなもので、いつ反り返ったままの剥離部分が悪化するか分かりませんし、さらに心臓に近い場所が剥離を起こす可能性もあります。とはいえ、それはなってみないと何もすることができません。だから、その時は救急車でまた来てね、という訳です。
退院して家に戻ると、原稿や素材の入っているパソコンのパスワードをICUまで聞きに来たライターさんがきれいに部屋を整理してくれていました。散らかしたまま病院に行ったら、そのまま入院だったので、なんとも恥ずかしい限りです。
そして、入院していた救急病院で1カ月後に診察してもらうと、剥離部分は特に変化はありませんでした。ただ、血糖値は400mmHg前後が続く高い平均値でした。入院中は糖尿食だったにも関わらず、退院後すぐにこの血糖値はなぜなのか、と疑問に思う方もいるでしょう。それは生への貪欲さが原因=ICUからの生還を喜んでの大爆食です。食うことすなわち、生きるための栄養摂取ですから!
ということで退院するなり忙しい仕事の只中に戻り、飲み食いも元通りむちゃくちゃになったのでした。ついでに、ラウド系コピーバンドの練習も再開。死ぬ気でドラムを引っぱたいてストレス発散です。そんな状態ですから、このままでは再び何かしらの病気を発症する可能性が高いため、心臓外科のある病院への転院を勧められました。高血圧と糖尿でかかっていたクリニックには心臓外科がなく、循環器外来もなかったため、専門医がいないのです。
「心臓と血管を診てもらえて、必要なら手術もできる病院に通ったほうがいい。うちは緊急病院なので、原則、掛かり付け医になれない」ということでした。今はアフターフォローとして経過観察しているに過ぎないのです。
●診察所から病院へ転院決定●
ちょうどその頃、クリニックの担当医だった先生から、新しい勤め先の挨拶状がダイレクトメールで届きました。「なんで住所を知ってるの? カルテから担当患者の住所を写して持ち出した?」という疑惑があったのですが、相性はいい先生だったので、試しに行ってみると、小さな開業医で、循環器外来はありません。風邪やメタボなどの生活習慣病、慢性的な病気がメーンというイメージで、新しい病院としては物足りませんでした。
そこで、インターネットで近所に循環器外来がある病院を探してみました。すると、院長が心臓外科を担当している病院が見付かったのです。ちょっと無理すれば運動がてら自転車でも行ける距離で、通うのにも最適です。さっそく、初診を予約して行ってみることにしました。
病院は中くらいの大きさで、町の開業医というより病院という呼び名が似合います。施設全体が新しく、ほのかに大便臭がする診察所とは大違い。中に入って案内の人に聞いてみると「心臓外科は今はやってないんですよ」とのこと。ウェブサイトで強力に宣伝してたのに! では、糖尿病は? というと対応はしているそう。紹介状は院長あてでしたが他のドクターでも大丈夫、とはいうものの、一応、院長で予約を取りました。
看護師は「生活習慣病の指導、うちは厳しいですよ」と脅かしてきます。今の診察所はそのへんの指導は非常に甘い。なので、思い切り好きなようにしてきました(現在進行形)。「相性はあるから、それはあとで決めます」と言っておくことにしました。有無を言わさず押し付けるだけの指導はゴメンです。きっちり「このままだとこうなるから、それを防ぐために今、摂生しましょう」という説明の「こうなるから」がより詳しい方がいいし、納得はできます。
とはいえ、自分はいつでも死んでいいや、むしろ今すぐ死にたい! という思考に支配されているので。それでもやめないだろうなあ。さあ、次回、いよいよ院長との初診察です。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半
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