茶葉製品・緑茶飲料大手の伊藤園は、麦茶飲料製造時に排出する麦茶殻を活用したリサイクル製品の第1号となる軽量・高強度緩衝材「むぎ茶殻配合緩衝材(給湯器用)」=写真=を開発した、と発表した。従来の古紙製緩衝材の原料になる古紙パルプの一部を麦茶殻に代替し、古紙パルプの使用量を削減すると同時に軽量化を実現した。
古紙使用量低減や軽量の給湯器用緩衝材を目指し、給湯設備メーカーのノーリツと開発した。伊藤園は、水を含んだままの麦茶殻を常温保存して輸送・工業製品に配合する技術「むぎ茶殻リサイクルシステム」を2018年10月に確立。今回これを基に開発した。古紙パルプ使用量を約20%削減し、緩衝材の重量を約7%軽減する。
むぎ茶殻配合緩衝材(給湯器用)1組に、伊藤園の麦茶飲料「健康ミネラルむぎ茶」650mLのPETボトル約20本分の麦茶殻を配合する。麦茶殻は飼料や肥料に利用されてきたが、水分含有率と温度が高いうえ、日本茶の茶殻より腐敗しやすい。そのため工業製品の原材料にするには、含水で常温保存して輸送する技術が必要になる。
健康ミネラルむぎ茶は、2017年ごろから夏だけでなく年間を通じて水分・ミネラル補給に適した飲料として消費量が伸び、生産が増えて麦茶殻の排出量も増加。2008年は5900tだったが2017年に2万500t、2018年には2万6500tになった。ノーリツは、むぎ茶殻配合緩衝材(給湯器用)をガス給湯器の輸送こん包材に9月から使用する。