小田急電鉄は、駅のホームから線路への人の転落を自動検知し、駅事務所内の係員に知らせる「転落検知システム」を導入する、と発表した。駅構内のカメラ映像を利用する。小田急線の経堂駅(東京都世田谷区)と祖師ヶ谷大蔵駅(同)で4月1日に始め、始発から運営する。既設の駅構内カメラの映像をリアルタイムに解析する。
転落検知システムは、同社が中期経営計画で掲げる鉄道の先進的な技術による高度化の一環。パナソニックグループと連携し、パナソニックが保有する画像解析とディープラーニング(深層学習)技術を鉄道環境に応用した。両駅では2019年12月からカメラごとの検知エリアの設定や、人物と列車を区別する事前学習を行った。
転落検知システムは、ホームから転落した人や、ホームの端に一定時間とどまって列車と接触する恐れがある人を検知すると、駅事務所内の専用端末にアラートを出すと同時に、カメラの映像を表示=図。係員はそれを確認することで、列車の緊急停止などの安全措置が素早く講じられるようになる。始発から終電まで運用する。