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[健康=メタボの行き着く先](75)クラスターの悪夢再び!? 透析クリニックで新型コロナ陽性判明者
皆さんご無沙汰しました、基礎疾患持ちです。連載の間隔が空いたのにはいろいろ訳があるのですが、1度クラスターが発生した自分が通う人工透析クリニックで、再び新型コロナウイルスの陽性判明者が出てしまったのです。
それは突然の通知でした。いつものようにクリニックに行き、入口で検温すると「今日は脇で測ってください」と言われ、待合室のソファーで待機を命じられました。もらった印刷物を見ると、月曜に風邪気味で、水曜の透析で症状が悪化して入院、新型コロナ陽性が判明したとのことです。
ということでクリニック内はスタッフが重装備。PCR検査をしてから入室ということになりました。症状が出たのが週明けなら、その前の2週間程度は新型コロナウイルスのホルダーとしてウイルスを拡散していたことになります。患者もスタッフもマスクをしていて、クラスター発生以降は極力患者がクリニックの物を触らないように改善されていました。
陽性判明者は、自分と同じ夜間クールで発生しました。透析患者でもまだ働いている年代が多いクールです。ということは、それだけ他人との接触機会も多いわけです。陽性が判明したその透析患者もそんな中で感染したのでは? それとも、夜間クールの中に症状の出ていないホルダーがいて、そこからなのか、もしやスタッフ?
これでもう1度クラスターが発生するとクリニックの存続にも影響しかねません。前回は後期高齢者もいる別日の朝クールでのクラスターでしたが、今回は夜間で比較的体力のある透析患者がそろっています。一言で「基礎疾患持ち」といっても、その内容はいろいろなのです。となると、今度は自分もいつの間にか感染しているかもしれません。
PCR検査の結果は大型連休明けということもあり、前回の検査時より遅い夜に電話がかかってきました。「えー、結果は陰性でした」と告げられたのですが、一瞬「陰性」と「陽性」のどっちが感染していないのか、頭がパニクってしまいましたが、「大丈夫ですので」と言われて「あ、平気な方か」と分かりました。
しかし、安心できないことにも気が付きました。発症したホルダーは、それまで2週間ほど新型コロナウイルスをバラまいていたわけです。ベッド内でもあめや飲料を取る時にマスクをずらします。その時に運悪くくしゃみが出たら……。また、話していてもツバを全て遮断できているとは限りませんし、自動ドアなどは触れないと開かないのです。脱衣所で会話をする人もいるので、どこでどう広がっているか不明で、自分も今は感染から間もないので陰性なだけで、実はもう少しすると陽性になる、という可能性があるのです。
ということで、休み明けにもう一度PCR検査です。前回はスタッフも患者も全員陰性で濃厚接触者はなしでしたが、正直もう少しPCR検査に間を空けてもいいような気はしました。今度の結果判定は昼に電話がかかってきました。「全員陰性でしたので安心して来てください」とのこと。
クリニックに行ってみると、重装備は完全に解除されていました。今回は外部スタッフを招集することもなく、陽性患者1人が出ただけにとどまったわけです。ですが、現在、変異型の新型コロナウイルスが従来のウイルスを席巻していますから、これで恐怖が終わったわけではありません。正直、ワクチン接種は高齢者だけでなく、基礎疾患持ちへも同時に始めてくれればよかったのに、と思います。
その後、陰性だったはずの患者やスタッフが突然発症してクラスター発生へ……、という事態に移行しないか見守っていたのですが、2週間を過ぎた今もありません。2回のPCR検査の後は何もなく、クリニックの基本対応として「ほかの病院で入院した人は念のためガラス隔離室で透析を受ける」という対応だけが加わりました。
というのも、シャント手術や抹消血管壊死などで入院する患者もいるからです。全ての病院が感染対策に気を使っているはずですが、それでも新型コロナウイルスに感染するリスクはゼロではありません。まして入院中ともなれば免疫力も落ちているはずで、感染しやすい体になっているのです。
お上は、医療費で予算を食いつぶす高齢者と基礎疾患持ちをこの際一掃もしくは半減したいのではないでしょうか。人口が減った分、外国人とのハーフをいっぱい産んでもらって日本国籍を持ちながら海外でも活躍してもらいたい、と考えているのかもしれません。そう思う官僚や政治家が少なからずいる、と自分はにらんでいます。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半