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[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた](3)総領事館前の“慰安婦像”
●“慰安婦像”に目を留める人なし、通行人もまばら●
翌9月14日は、朝食をホテルのバイキングですませ、部屋で休憩した後、まず近隣を散策。歩いて7、8分の場所に在釜山日本国総領事館があることを地図で知った。総領事館の前には、法律に違反して2016年末に設置された“慰安婦像”があるはず。様子を見に行ってみることにした。
総領事館は大通りに面しているものの、高さ5mほどの塀で囲まれ、塀の最上部には有刺鉄線が張られている。像は大通りの歩道上、総領事館の塀に向かい合う形であった。塀の前には警察官が立っている。昼前だったが人通りは少なく、たまにいても、像に目を留める人は皆無だった。
総領事館前には地下鉄釜山駅の隣の駅、草梁(チョリャン)があり、そこから西面に向かう。西面は前回釜山に来た際に宿泊した場所なので、最低限の土地勘はある。名物料理のナクチポックン(手長タコと唐辛子の炒め物)の有名店「ケミチプ」に行ってみると、店は開いていた。
ナクチポックンはソウルで激辛料理として知られるが、釜山では鍋料理で、辛さもそこそそ。地域差がある料理なので、釜山では外せない。店が開いていてホッとしたものの、10人ほどが入店待ちの列を作っている。入口の壁に掲げられたホワイトボードに名前を書く仕組みのようだ。
ボードを見るとハングル文字が並んでいる。ハングル文字で自分の名前は書けるが、一目で日本人だと分かってしまう。韓国人らしい偽名にするか、と迷った末、まいいか、と本当の名字を書く。ボードには「タマイ」「オカテ」など日本人の名字らしいのもいくつか見受けられた。
店員は席が空くと、ボードの名前を読み上げて呼ぶ。明らかに日本人と分かる客もいるが、並んでいる現地人は特に反応しない。10分ほど待つと私も呼ばれ、店員について店内に入り、席に着く。注文を取りに来た別のおばさんに韓国語メニューの「ナクチポックン」を指さした。
●「ユニクロ」は以前と変わらない雰囲気、不買運動?●
口の回りにしびれた感じを残しながら店を出て、近くの「ロッテ百貨店釜山本店」へ。地下1階に「ユニクロ」のロッテ百貨店西面店がある。日本ブランド不買運動が報じられる中、韓国でも人気の日本のファーストファッションブランド店はどうなっているのか、確かめたかった。
結論から言うと、1年2ヵ月前に来たと時と何も変わっていなかった。韓国人の若い女性やカップルなどが熱心に商品を選んでいる。安売りのワゴンの前でおばさんたちが自分に合うサイズの商品を引っ張り出している光景も同じ。不買運動なんか本当にやっているの? と感じてしまう。
地上に上がってロッテ百貨店を出ると、横の通りに日本語で「おでん」「たこ焼き」などと書いた赤ちょうちんを下げた食べ物の屋台が何軒も並んでいる。そんな屋台で串に刺した練り物を買い求め、食べている韓国人の若者も多い。日本語のちょうちんは街の風景に溶け込んでいた。
●日本人のためにウェブページをプリントしたメニュー●
カフェで一息つき、地下鉄でホテルに戻って休憩。夕食は歩いて5、6分ほどのテジカルビ(豚バラの焼肉)の店に。釜山の観光情報サイトでホテル周辺の飲食店を探したところ、おいしい店として紹介されていた。実は昼に通りかかっていて、経営者とみられるおばさんが掃除をしていた。
掃除をしているということは今夜は営業するか、と思っていたが、やはり店は開いていた。昼に掃除していたおばさんが一人で切り盛りしているらしい。日本人と察し、笑顔で日本語のメニューを持ってきた。何と、韓国情報サイトの自分の店の紹介ページをプリントアウトした紙だった。
12、3人しか入れない個人経営の小さな店。本来メニューはなく、壁の張り紙に書かれている料理名から選ぶ仕組みだろう。この紙は日本人のために用意してあるようで、要するに日本人客を歓迎していることになる。テジカルビとサムギョプサル(三枚肉)を注文。食べ方も説明してくれた。(A)=フリーライター(元全国紙記者)、50代・男
◆記事最上部の写真は、釜山駅の駅前広場と中心街
[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた]記事一覧
(1)釜山-慶州-ソウルの縦断に出発
(2)秋夕で飲食店は軒並み休業
(3)総領事館前の“慰安婦像”★表示中★
(4)釜山から慶州に足を伸ばす
(5)釜山駅からKTXでソウル駅へ
(6)KTXでソウル駅到着、明洞に
(7)ソウルでも不快なことはなし
(8)まとめ、秋夕に注意/観光客は歓迎