[健康=メタボの行き着く先](44)障害者年金は厚生・国民年金を払っていないともらえない

先週は人工透析の除水で少し無理をしてドライウエイト(余分な排出しきれていない水分を引いた体重)にトライ。失敗して血圧がなかなか戻らず、翌日はなぜか、尿毒症の時のような止まらない下痢に襲われ、体調不良で原稿を書く余裕がとれませんでした。

たまに止まらない下痢に悩まされるのですが、薬を3種類飲んで無理やり止めようとしますが、なかなかうまくいきません。困ったものです。これについては今後詳しく書こうと思います。

必要書類が多過ぎてハードルが高い申請●

社会保険事務所の不手際で大騒動になった「年金記録問題」が記憶に新しかった2008年、自分は人工透析で仕事時間がとれなくなったこともあり、税金を払っている国民として障害者年金の相談で最寄りの社会保険事務所を訪れました。そして、そこで衝撃の事実を知ることになります。

障害者年金を申請するには膨大な数の書類をあちこち駆け回って取得して来なければいけなくて、とても障害者に寄り添った制度ではありません。障害者だろうと生活困難者だろうと、ヒアリングと今通っている病院などの書類では済まないのです。

まず、メーンとなる書類「病歴・就労状況等申立書」には、これまでの経過と現在の状況を記入するのですが、これが役所にあるまじき超大型。模造紙に書く“学級だより”を思い出しました。障害者にもいろいろありますが、最近は文字を書く時に力が入らず、字をちゃんと書くのが難しくなっているのに、記入欄は嫌になるほどあります。何の嫌がらせでしょうか。

社会保険事務所は障害者を理解しているのでしょうか。というか、そもそもは厚生労働省です。この申立書は「発病した」初診にまでさかのぼって書かなくてはいけないのです。自分の場合は傷病名は「慢性腎不全」ですが、糖尿病からの悪化ですので、糖尿病の初診日が問題になるわけです。

これ、かなり以前から患ってた人は、いつそう指摘されたか覚えていないかもしれませんよね。職場の健康診断かもしれないし、それで指摘されて通った病院かもしれません。なおかつ、その初診の時期の前後1年ずつは厚生年金か国民年金を納付している事実がないといけません。

さあ、ここで問題が生じてしまいました。会社で編集者をやっていた時代には近所の内科に通っていたのですが、なにせ若かったので胃腸の調子だけ見てもらうために通院していました。そのころは厚生年金を払っていたので条件を満たしているのですが、その内科での血液検査表や糖尿を注意された記憶がないのです。脂肪肝と血圧が高いことを指摘されたことは覚えていますが、糖尿病は高齢者の病気という印象があったので、言われたとしても記憶に残らないはずです。

●30年前に通っていた病院に問い合わせ●

それぞれの病院から「受診証明書」もらって来いと言うのですが、そもそも30年前の話です。カルテすら残っていないでしょう。内科に電話で問い合わせてみると、看護師さんにはけげんな様子で対応され、先生が変わっていること、カルテはもうないことが分かりました。

となると、フリーになってからの通院先になるわけです。問題は、フリーになってからは当時のヨメの主張を信じて「どうせもらえないから年金なんて払うだけ無駄」に乗ってしまったことです。そのころは年金を払う余裕があったので、払っておくべきでした。

国民年金の納付率は、厚生労働省の資料によると2020年1月末現在、75.2%です。まあまあ払われているとも言えますが、未払いの場合(免除を除く)、事故や病気などで急に障害者になって生活に困窮しても障害者年金をもらうことができなくなるのです。

ちなみに、自分が入っていた共済では、糖尿病からの腎臓不全は「障害者」の適応範囲外で一時金すらもらえませんでした。事故などでの四肢切断や内蔵損傷だと適応になるところが多いのですが、あなたも自分の加入している保険の「障害者」の定義を確認しておいたほうがいいでしょう。

糖尿病やメタボ、高血圧などの通院、入院からの障害者も保証してくれる保険があれば、健康な若いうちに加入しておくことをお勧めします。現状を考えると、がんなどの心配もありますが、もっと身近になっている国民病にこそケアをつけてもらいたいところですよね。

ほかにも大学病院や入院したクリニックなども駆け回って証明書をかき集めたのですが、大学病院は自分の書類がまもなく廃棄になる期限で危ないところでした。そして、ソーシャルワーカーさんと作戦会議です。鍵はやはり出版社時代の内科しかないということになったのですが、通院カードも処分してしまったのか見付かりません。当時は血液検査の結果もろくに見ないで捨てていました。それから何度も引っ越ししていることも、資料紛失に輪をかけています。

病院に確かに通ってた証明となるものは、現在メタボの人もグレーゾーンの人もちゃんと記録として残しておくことをお勧めします。当時の医師がもういない場合でも、強硬に主張すれば一筆書いてくれるかもしれません。最近は、提出書類の内容が変更され、昔の病院で証明が書けない場合の理由を書く先送り書類が増えました。こんなん、当たり前じゃ。

社会保険事務所はいつまで経ってもカネを払うつもりはないようです。飲み食いやマージンバックで懐を相変わらず潤しているんでしょうかね。今度は出版社時代に入っていた保険グループの大本からアタックしようと考えていますが、メールでの問い合わせ窓口はなし。しかもどの部署かも分からず面倒で先延ばし、目先の仕事に追われています。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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