[健康=メタボの行き着く先](55)死にたい気持ちの実現を分からせるはずが本番に

息子の親権を取り戻すことに成功した自分ですが、実はその半年前に取り返し不能な事態になる危機を自ら招いていました。なお、今回書くことはくれぐれも真似しないようにしてください。

自分の家族は、子供のころからバラバラでした。親は子供(自分)に、学校生活のことどころか全く何も聞かないので、こちらも何も言いいませんでした。「行ってきます」も「ただいま」もない家庭です。自分がかなり小さいころからそんな状態だったと思います。自分にとって父親はただ働く人、母親はパートして働きつつもひたすら家事をする人でした。

妹がいますが、自分とは性格も趣味も違うので、互いのことはあまり話さずに育ちました。おまけに母は発達障害特有の空気を読まない人で、自らだけ理解している話を唐突に始めます。そのため、母をクルマに乗せていると自分はとても不快になり「てめえ、いまここで降りろ! ひき殺すぞ」と怒鳴ってしまいます。妹が間に入って母に「もうクルマには乗らない方がいいよ」と言うことになります。実は妹も母の言動に閉口していたのです。これは今でも続いています。父は既に亡くなりました。

そんな母、妹、自分でしたが、ある日、3人で自分のクルマに同乗し、妹宅へ母を送るため出掛けることになりました。その時、妹と話していて、いつものように「今すぐ死にたいし、おまえらもどうせ面倒だから早く死ね、と思ってんだろ?」「そんなことは言っていない」「いや言外に言ってるね」といった言い争いになってしまいました。

あまりに頭に来たので、帰りに1人になった自分はホームセンターに立ち寄り、七輪と練炭をセットで購入し、母と暮らしている家の玄関に置いておきました。たぶん、バカな母はそれが何を意味していることか分かりもしないでしょう。

なぜ七輪を選んだかというと、普段から自分は良さそうな死に方を探しながら新聞記事やニュースを見ているのですが、七輪で集団自殺する人が後を絶たず、首つりより楽なのだろう、と思ったからです。火災による死亡では、焼かれる前に一酸化炭素中毒で亡くなっている人が大半、という報道も目にしていました。七輪だと楽に死ねそうだし、手軽だな、と考えたのです。

何より自分には、本気で死にたいという意志を実行で分からせてやる、という強い思いがあったのです。しかし、鈍感な母は何も気付かず「玄関のアレは物置にしまっていいの?」と普通に聞いてくる始末。「おまえ、あれがどういう意味か分からないのか。死ぬための物だよ!」とわざわざ説明しなければならないのだから格好が付きません。

あとは実行日です。そのころ自分は長期の仕事を抱えていたので、仕事が手離れする日を待っていました。何かあった場合に迷惑をかけてしまうことは編集職人として避けたかったのです。問題は本気で死ぬ意志の見せ方です。自分の中では、まあ家の前の駐車スペースで、密閉した車内の助手席側に七輪を置いて炭を燃やし、ギリギリのところでクルマを出て真っ青で調子が悪いのを見せる程度の絵を描いていました。

そして実行の日が来ました。母は出掛けていて不在です。まず七輪の中に炭を入れて着火を試みますが、なぜかうまくいきません。煙が出る程度で止まってしまうのです。この日は人工透析に行く日だったため、別の日にホームセンターで改めて着火剤を購入して試みることにしました。

死にたい人間が人工透析を受けて延命しているのは、全くもって不合理なのですが、尿毒症のキツさを知ってしまうと、とても透析をやめる気にはなれないのです。透析中に天井がいきなり崩れ落ちてエアコンとボンベにつぶされて即死してえなあ、とよく考えるのですが、大地震はまだ来ません。即死はいつでも大歓迎です。できればその瞬間に「うわ、これ映画とかみてえ!」というすごい映像を目に焼き付けたいものですが、ぜいたくは言えません。

そして着火剤の購入から数日、また母の不在日がありました。仕事もいい感じに手離れしていたので、実行することにします。まずは練炭への着火。着火剤は心配になるほど勢いよく燃え盛り、火を炭に移していきます。こんなに簡単なら初めから着火剤を買っておけばよかった!

まず車外で練炭をある程度燃やしたところで、七輪を助手席の床に置きます。目隠しに日よけ用のサンシェードを窓全面に張り巡らします。これでクルマに向かって歩いて来る人から車内は見えません。あとは窓を全て閉めます。特に目張りはしません。死ぬのが本気だというのを見せるのが目的ですから。

しかし、車内で七輪を使っていると結構煙が出てきて不完全燃焼になります。これはこれでつらいし、目に染みるわ、せきが苦しいわで、火が消えても困るので、自分が座っている運転席側の窓を開けてタバコを吸ってみたり、エンジンは止めずに空気を供給するようにしてみました。

そんな時に知人から電話がかかってきて、結構長い時間話していたのですが、相手はまさか練炭自殺の予行演習中とは思わなかったでしょう。やがて電話を切り、さあて、どうするかな、と窓を閉め、やめ時を見計らって運転席をリクライニングしてくつろいでいたら、いつのまにか真っ暗な世界にいました。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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