突然始まった謎のリバース(おう吐)は逆流性食道炎かも、というドクターの判断で薬を処方され、今も飲んでいます。しかし、実は食道に炎症があるかどうか、喉も見ないで診断されているので、結構当てずっぽうです。逆流性食道炎というのは、文字通り食道に炎症があるために飲食で刺激を受け、食べた物が逆流してしまう病気です。

胃の内容物が食道に逆流する病気は、胃食道逆流症(GERD)と呼ばれています。逆流性食道炎もこの分類に入るのですが、もう1つ、食道炎がなくても吐き気が収まらなくて、頻繁に吐いてしまう場合もあるのです。食道炎がなくて胸やけがひどいと、非びらん性胃食道逆流症と呼ばれます。どちらも胃食道逆流症の大きなくくりに含まれます。

どちらにしても頻繁にリバースすることに変わりはなく、時にはリバースのあまり、胃酸で食道がただれてしまうこともあるそうです。それだけではなく、胃食道逆流症は虫歯の原因になったり、胸の痛みを伴ったりすることもある厄介な病気なのです。

では、この病気は何が原因で起こるのでしょうか。食事の欧米化と、暴飲暴食、さらに高脂肪食なのです。つまり、糖尿病の患者をはじめ、メタボリック症候群、生活習慣病を指摘される人が大好きな食べ物と食生活そのものと言えます。食べ過ぎて胃がいっぱいになるとゲップが出ますが、この時に酸っぱい物がこみ上げてくるのが逆流の起こるメカニズムです。

メタボの人は特に、よくかまずにガツガツと揚げ物や肉などを一気に食べまくる早食いの人が多いと思いますが、この食べ方は空気もたくさん飲み込んでしまいます。そうすると逆流しやすくなるのは当然です。そして、肥満や便秘で腹圧が高まっていると、胃の中の食物が腹の肉に押されて行き場を失います。

つまり、肥満はそれだけで食物逆流のリスクを高めてしまうわけです。コーラやビールで食べ物を飲み込んでいる人も要注意です。ちなみに喫煙とアルコールも影響があります。酒はほとんど飲まない自分ですが、飲んでいた頃はよくリバースしていました。喫煙はせき込むことがトリガーになる危険があるようです。

さらに、前かがみの姿勢でいることが多い人も、お腹に圧力をかけ続けることになるので、胃に負担をかけっ放しということでリスクが高まります。自分は朝起きてからすぐにデスクの前に座って1日中前かがみで仕事を続ける毎日です。つまり、これにぴったり当てはまってしまいます。

食後、胸に痛みが出たり、胸やけを感じたりする場合は明確な赤信号ですが、ほかにも大きな声を出すと吐きたくなる、夜にぐっすり眠れない、ということも危ない兆候です。逆流が毎日のように続くと、当然、胃や食道は荒れてきます。そして胃酸の影響でほかの部位にも影響が出始めます。となると食生活は貧弱にならざるを得ません。これは、前回(連載の第63回)書いた通りです。

炎症がひどくなると、喉に狭さくが生じて物が飲み込めなくなることもあるのです。これを避けるには、病院できちんと診断を受けて薬を処方してもらうとともに、食生活の改善が必要になります。それだけでも、この病気が治っていくことは分かっています。

この病気の患者は1990年ころから増加し、特に高齢者に目立ちますが、若い人でも見られるようになっています。罹患(りかん)者は国民の10%を超えるとも言われ、今では10人に1人はリバースに悩まされていることになります。悪者扱いされるピロリ菌が、実はこの病気を防ぐ働きをしていることも判明しています。内在菌にはやはり何かしらそれなりの役目があるわけです。

ストレスや暴飲暴食で胃酸が過剰に出過ぎている人も危険です。自分の場合は子供の受験などがトリガーになったかもしれません。また、原稿の締切前はキリキリとお腹が痛くなりますから、これも良くないでしょう。しかし、世の中には同じような生活をしている人はいくらでもいるはずです。もし、傷んだ物食べたわけでもないのに吐き気が続いたり、リバースが頻繁に起きる人は早めに病院へ。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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