- Home
- [連載]メタボの行き着く先, 健康, 厳選アーカイブ, 連載・特集記事
- [健康=メタボの行き着く先](36)外食と食べ過ぎを栄養指導で少しだけ反省
[健康=メタボの行き着く先](36)外食と食べ過ぎを栄養指導で少しだけ反省
新しい病院は栄養士さんが可愛い女性でやる気も少しは出たのですが、指導はたっぷり1時間。容疑者への厳しい取り調べという雰囲気で、可愛くてうれしいのもどこへやらです。
栄養指導では毎日の食事メニューを提出しなければいけないのですが、以前はろくにつけず、1週間のメニューをその場で思い出す程度でごまかし、あとは栄養士さんから気を付けることを言い渡されるだけでした。しかし新しい病院では微に入り細に入り、メニューの細目を検証していくのです。特に初回はかなり細かく追求され、ダメ出ししまくられました。その終わりに出された食事カルテがこの写真です。
これまでいかに甘やかされていたのか、それとも単純に見放されていたのか分かりませんが、食事管理はかなり厳しいものでした。カルテを見れば分かる通り問題だらけだったのですからダメ出しは当然です。
それも無理はないのです。血糖値、血圧はもちろんですが、中性脂肪やコレステロール値も異常、これを薬だけで何とかしようという思考に無理がありました。降圧剤は確かに血圧を下げるのですが、自分の場合は高値安定にとどめている程度。インスリンは、摂取する糖分が多ければ無制限に量を増やしていかなければ効かなくなります。中性脂肪は明らかに油もの(揚げ物)の取り過ぎです。
そうして反省することなく体をここまでとことん甘やかし、いじめ抜いてきたダメ男が可愛い栄養士さんにきつい取り調べを受けているという訳です。
●「原稿に疲れが出てる」と編集長に指摘され……●
この頃、実は自分の体は異様なだるさ、疲れが慢性的になっていました。肩こりもひどく、両足はむくみで常に痛みがあります。顔色も悪く、目の下のクマはより濃くなっていて、もはやゾンビです。にも関わらず、仕事が忙しくなればなるほど座っている時間が長くなるので、足はどんどんむくんでいき、食事は一段落する夜中にドカ食いのパターンから抜け出すことができませんでした。
とある編集部で新しい仕事にありついていた自分でしたが、最終号の1号前の校正を編集部で終えた時に、編集長からこう告げられました。
「はい、あなたの校正で終了です。お疲れ様。で、ね、ここのところ、正直、原稿に疲れが出ちゃってるんだよ。雑誌は次号で終わるけど、まずは体を健康にしてもらってから、もう一度お仕事をしましょう」
面と向かって言い放たれた言葉は、自分でも気になっていたことなので、かなり痛い指摘でした。実際、疲れのあまり検証や画面作りが甘かったり、文章が乱れているな、と感じていたのです。しかし締め切りは待ってくれないので、荒いまま入稿して校正で修正するという最悪の手段を取るしかありませんでした。
画像の後送が多くなっていたのも、疲れに負けて休んでしまうせいです。1日の終わりになってくると疲れのあまり、深く考えることも放棄してしまいがちになり、結果、原稿が面白くないわ、役に立たないわ、穴だらけだわ、ということになってしまうのです。この編集長のひと言で、これは真面目に食生活を何とかしないとダメだ、という気持ちになってきました。
●ダメージを受けていることを感じない“沈黙の臓器”●
当時の自分のSNSの投稿を見ると、実際に疲労感をやたらと訴えています。腎臓が人工透析導入を勧められるほどダメージを受けていて、体から毒素が抜けていかず、たまる一方なのでこれは当たり前なのです。今はそれが分かるのですが、当時の自分には食事も少しセーブしているし、何でなんだろうと軽く考えていました。
実際、忙しいし、年のせいもあるよな。もう若くないということだろう。そんな考えで腎臓の大切さをほとんど理解していませんでした。なぜなら、腎臓にダメージをくらって少しずつ臓器がダメになっていても、痛みを感じないからです。腎臓に細菌が入って発症する急性腎盂(じんう)腎炎の場合は、腎臓付近や腰に痛みを感じることもあるのですが、慢性の腎盂炎の場合、初期症状で痛みはありません。頭痛や倦怠感程度です。悪化してからおう吐や発熱などの症状が出始めるのです。慢性腎炎の場合も症状はこれに似ています。
腎臓が肝臓と並んで“沈黙の臓器”と呼ばれる由来はここにあります。その結果、自覚のないまま臓器が壊れていき、その働きが極端に低下してしまうのです。どうにもだるさが抜けない、ひどい、という人も多いと思いますが、その原因が肝臓や腎臓などにあるかもしれませんので、お気を付けください。 (U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半
[健康=メタボの行き着く先]記事一覧