[健康=メタボの行き着く先](37)とうとう始まった自家中毒症状

2007年の秋、自分はSNSにこんな投稿をしていました。

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血糖値は落ち着いているのだが腎臓がやばいせいか、自家中毒気味。
先生は「人工透析を始めちゃうとかえって調子よくなるから!」と言うけど、先延ばしにしているのが現状。

疲れやすいのは仕方ないにしても、むやみやたらと気絶するように寝てしまうのがしんどい。特に土日は気が緩むせいか体もグダグダ。

チャリで飯~本屋~髪切り~パン屋で仕込み~とぐるーーーと回って帰ってきて、たまった録画を2本見たところでダウン。ほぼ気絶状態だ。
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転院した病院のドクターは、毒が抜けなくなっている腎臓の状態を確実に見抜いていました。とはいえ、人工透析の導入にはやはりちゅうちょしてしまいます。思えばインスリン導入時にも、同じようにちゅうちょしました。すい臓が回復しない臓器である以上、インスリンを打ち始めれば一生それを続けなければいけないことになります。注射が大嫌いで、いまだに注射針が突き刺さるシーンを正視できないくらいなので、毎食ごとに注射が必要になるインスリン導入など、考えただけでもゾッとします。拷問です。

●人工透析の知識を自分なりに調べ始める●

この頃はプライベートで息子のサッカーの試合を見に行ったり、釣りに行ったりもしていましたが、体はグダグダでした。そして仕事も不調で、法人化した際に調達した500万円の資金返済に困るようになり、次々の返済額を減額してもらう“リスケ”を繰り返し、頭の中もそのことでいっぱいでした。

そんな中、人工透析について図書館で本を借りたり、ネットで検索してりして自分でも「透析とはどういうものなのか」を調べはじめました。その結果のSNSへの投稿を引用します。

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それから透析も遠くないのでいろいろ考えていると、透析が必要なくらい悪化していた場合、透析が間に合わなかったらどうなるのか。

本によると透析者は透析しないと4、5日で死ぬそうで。

では、その死に様はどういうものなのか。自家中毒というか尿毒症のようなものらしいけど、いきなり昏睡なのか、あちこち痛いわ苦しいわの悶絶の末に死ぬのか、そのへんは興味があります。次回、ドクターに聞いてみたいところです。

最初は苦しくても朦朧として痛み止めとかいろいろ手当てするだろうから、そんなに苦しまないで寝たまま逝けるのでしょうか。これは前回の集中治療室で思ったこと。

放置すると4、5日で死ぬような瀬戸際の人間が週に数回、全身の血を入れ替え(フィルタリング)するだけで不自然に生きながらえている、しかも日本だけでも数百万人が。これはいいことなんだろうか? すごく不思議な気がする。大災害でもくれば、透析もできなくなってみんな1週間で死ぬわけだ。
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のちに、この大災害での懸念は現実味を帯びてくることになるのですが、実際のところ、透析患者は4、5日透析しなくても全員死ぬわけではありません。人によりけりです。ただ、2週間になると、けっこうな割合で意識不明の状態に陥るのではないでしょうか。

人工透析は、体の外に血液を取り出して、透析器で毒素を濾過し、抜けなくなった水分も取り除いて、不足した電解質を補う「人工腎臓による排出と補正」を人工的に機械で行うものです。その回数は週3回。1回あたり4時間程度とのこと。

それなりに仕事をしている身で、週3回人工透析、それも毎回4時間取られると、まともに仕事が回らなくなるのは目に見えています。もちろん、透析を選ばずに自然死を選ぶというのも自由です。自分には小学生の頃から希死念慮(死にたいと願うこと)があり、1999年に空から恐怖の大王が降ってきて人類が滅びるという予言を肯定的に受け取り、1999年にはとにかく死ぬんだと思って生きてきたのです。が、そうはなりませんでした。しかし2007年になって、自ら死の道を選ぶという選択肢が目の前に現れたのです。

●体の苦しさが尋常ではなくなってくる●

年の瀬が迫るにつけ、体のしんどさは尋常ではなくなっていました。とにかく下痢が止まりません。ついでに吐き気もあり、物を食べるとこみ上げてきます。その頃の血液検査の結果が冒頭の写真です。この連載の第35回に掲載した結果と比べると、中性脂肪は2倍、尿素窒素、クレアチニンも倍近い数値です。蛋白(タンパク)や尿糖も「+」の数が多すぎます。ALPは肝臓から出る酵素で、数値が基準値を大きく超えて明らかに異常です。どう考えても体がボロボロなのは間違いありません。

ですが、年末は息子が長めに一緒に過ごす時期です。なぜかというと、問題の元妻(この連載の第23回前後参照)が、新しい旦那とその子供を連れて旦那側の実家に行くからで、息子はそれ付き合いたくないので、実の父である自分と一緒に過ごすのです。年末・年始を独占できるので、願ったり叶ったりです。数日間一緒に過ごすので、普段はどういう生活を送っているかもじっくり聞けます。

聞けば聞くほど、向こうの家はまあひどいのですが、それよりは息子が友達とバカな遊びをしていることを聞くほうが楽しくもありました。親が嫌いなら、無視して外で友達と遊んでいればいいのです。聞いた感じでは不良とつるんでるわけではないので、そこは安心しました。盗みや恐喝などをやっていれば、まず自分が許さない、鉄拳制裁も辞さないことは小さい頃からずうっと言い続けています。DV(家庭内暴力)は、はたらいていません。

そんな感じで正月はお年玉をあげて、おせちを食べて神社で初詣をすませ、息子を家に戻します。この瞬間がたまらなく寂しい時間です。そして1人暮らしの自分のアパートに帰ると、疲れが一気に出たのか、熱が出てきました。38℃超えの高熱です。食欲もありません。寝るといくらでも寝られるのですが、下痢で起こされ、吐き気もひどく、2日ほど何も食べられないのに、吐き気は止まりません。

ちょうどその頃、同じような症状の風邪がはやっていることをSNSで知り、病院の休み明けとともにヨロヨロと駆け込みました。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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