[健康=メタボの行き着く先](48)薬を3種類飲んでも止まらない恐怖の下痢

糖尿病持ちの人工透析患者は、とんでもない数の薬を服用するのですが、その中の1つにリン吸着薬があります。リンはたいていの食物に含まれています。おいしい美味しいものはだいたいリンの含有率が高いと思って間違いありません。家庭菜園などを楽しむ人は、実を付けさせるためにリンを肥料としてまくことが多いのではないでしょうか。

ところが、このリンは腎不全になると分解できなくなって排出されず、血管や関節の石灰化、動脈硬化を招く毒になってしまうのです。そのためにリン吸収阻害薬を食事前に取るのですが、これがまたデカいタブレットで、かみ砕くのにひと苦労です。しっかりかみ砕かないと即、便秘です。というか、服用すると、たいてい便秘気味になります。なので、人工透析患者の多くが便秘と下痢を繰り返しています。問題は下痢です。

●幼少の頃からの過敏性大腸症候群という持病●

自分は幼少の頃から過敏性大腸症候群を患っていました。出掛ける前になると、電車の中でもよおしたらどうしようと、トイレに何度も行ってしまうのです。恐怖から親戚の家に行くことをやめたこともあります。通勤やデートも電車移動は恐怖でした。クルマでの移動では渋滞になると便意が襲ってきます。

ということで移動の制限を強いられる厄介な病気です。子供の頃は理由も分からなかったのですが、大人になってから過敏性大腸症候群という精神的な動揺が腸の働きを活性化する病気であることが判明しました。しかし、分かったところで、通勤電車、特に撮影などで朝早い時は混み方も半端ではないのでストレスが大きく、冷や汗は出るわ、呼吸は苦しくなるわ、トイレにも行きたくなるわで地獄でした。撮影の待ち合わせのトイレでひと息つくわけですが、クルマで出る前にもまたトイレです。

20代の中頃は特に症状がひどく、休日に近所へ買い物に行こうにも腹がグルグル来て出られないことがしょっちゅうでした。この頃は悩みも多く、精神的にだいぶダメージを受けていました。その後、毎日のように店の取材にカメラマンと移動する雑誌を担当することになり、あまりの過密スケジュールで症状はいったん収まりました。

結婚した後、男性患者にだけ効果があるという「イリボー」なる薬が出て、さっそく服用をはじめたのですが、効果はいまひとつでした。今も服用していますが、相変わらず疑問のままです。

さて、現在は田舎から取材や打ち合わせで都内に出る時は、電車よりも圧倒的に早く着くクルマで移動しています。高速道路の入口まで20分かかりますが、乗ってしまえば20分もすれば、電車ならようやくターミナル駅に着く時間です。クルマなら1時間半もあれば新宿に到着してしまいます。

クルマで高速移動する時は、できるだけ事前に食事を取らないようにしています。これは便意よけです。というのも、移動途中にサービスエリアの数が極端に少ないからなのです。だいたいはガソリンを入れるついでに買ったジュースとエネルギーゼリーを車内で食べてすませるのですが、ある日、途中のサービスエリアでトイレで寄った時、おかしな現象に気が付きました。

足に力が入らず、ちゃんと立てないのです。なんだこれは! ろくに運動も散歩もしていないので脚力が落ちていることは自覚していましたが、家でずっと仕事していてもこの症状は出ません。なぜクルマ移動時だけ?

クリニックで回診時のドクターに聞いても分かりません。大学病院の総合診察科で半日かけて診察してもらったも「原因不明、特に疾患は見られない」とのことでしたが、なぜか、その診察を機会に足に力が入らない症状は治ってしまいました。その代わり、下痢が悪化し始めます。自宅仕事のときでも、突然下痢がやってきて、5分に1回トイレに駆け込むありさまです。これを10回繰り返します。

困るのは外出時です。外出している時にすきっ腹にご飯を入れると、しばらくすると猛烈な下痢が止まらなくなるのです。頓服で出されている下痢止めと、胃腸のけいれんを止める薬をダブルで服用しても止まりません。飲み会の最中、何度もトイレにこもり、消化不良で食べたものを出しているような感じです。

クルマで取材に向かう途中でこれに襲われた時はサービスエリアから動けなくなってしまい、取材は人任せになりました。サービスエリアが遠い時は料金所でトイレを借りたこともありますが、地下通路が長くて我慢できず、途中で××××××しまいました。サービスエリアを出たばかりの広い場所で車を寄せてしたこともあります。帰りには何ともないので、これも過敏性大腸症候群の症状だと思われます。が、もう1つの理由も考えつきました。

●クルマ移動中の下痢の原因を解明、ところが●

用事でクルマで行く時は食事をセーブしているのですが、結果的にこれが低血糖を招いているのではないか、ということです。低血糖になると血圧が急激に低下して、それは脱糞などを伴います。それを防ぐために、クリニックでは血圧が低下すると足を上げて血圧を確保するのですが、運転中はそれができません。

それが分かってからは、なるべく糖分が多めの食事を取りながら出かけるようにしています。と、思ったら、今度は自宅で謎の下痢が始まりました。これは3、4回繰り返したところで原因がわかりました。

水とお茶ばかりだと飽きるので強炭酸を箱買いしているのですが、これがすきっ腹を刺激して便秘を強制解除して止まらない下痢を誘発するのです。恐るべし、強炭酸。このおかげで除水量(人工腎臓を通して体内から余分な水分が排出される総量)も減るので、まあたまにはいいか、ということにしています。便秘に苦しんでいる人は強炭酸を試してみてください。(U)=雑誌・ウェブ編集者、50歳代後半

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