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[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた](7)ソウルでも不快なことはなし
●公的機関の職員・郵便局員の親切、両国関係を考えると驚き●
韓国滞在5日目の9月17日。日本に郵便物を出す必要があり、宿泊先のフロントで郵便局の場所を聞いた。これまで接してきたのは民間の人たちばかりで、今回初めて公的機関の職員である郵便局員と関わることになる。公的機関だけに、日本人に対してどのような態度を取るのか、半ば変な期待をしながら出掛けた。
教えられた郵便局は日本の特定局のような小さな所。昼前だが訪れている人はいなかった。漢字で宛先を書き「JAPAN」「AIRMAIL」と記した郵便物を窓口で出す。窓口には、40代とみられる硬い表情の女性職員。料金を尋ね、言われた額を支払うとその分の切手をくれた。窓口の横にずれて切手を貼ることにした。
備え付けの液体ノリを使おうとしたところ、その女性職員が固形ノリを渡してくれた。もちろんだが、貼った面がベトベトになる液体ノリより、固形ノリの方が使いやすい。要領を得ない日本人への親切心から貸してくれたのだと思う。本来当然のサービスかもしれないが、両国関係を考えると驚きでもあった。
その後、土産物を買うため「ロッテ百貨店本店」や「新世界(シンセゲ)百貨店本店」がある明洞に。新世界百貨店は日本統治時代に「三越」の京城支店として開業し、当時の建物が使われている。向かいは旧「朝鮮銀行本店」と旧「朝鮮貯蓄銀行」の建物。壊されることはなく、今のような状況でも残っている。
●「がんばって」と日本語で書かれたTシャツを着る韓国人の若者●
明洞の繁華街では「がんばって」と日本語で書かれたTシャツを着た韓国人の若者を見かけた。どこかの店のお仕着せではなく、ファッションのような感じだった。こんな服を着ていても袋だたきに遭うこともなく、堂々と街中を歩けることを証明している。反日デモや不買運動って何なのか、本当に理解不能だ。
その日の夕食は東大門地区のやや高級な焼き肉店、翌18日のランチは商業施設の中のバイキングレストランで食べたが、特にぼられたりすることもなく、店員たちの接し方は現地人相手と同じだった。宿泊先で深夜、部屋のトイレが詰まった時も従業員がすぐにやってきて直してくれ、チップも受け取らなかった。
18日夕、空港バスでソウル・金浦空港に向かい、午後7時20分発のJAL94便に乗った。韓国人の空港職員も笑顔で手続きをしてくれた。飛行機の席は半分ほど空いていた。東京・羽田空港には同9時10分着。6日間の旅で不愉快なことはなく、報道される大統領の発言や、政権支援デモは別の国のことのような気もした。
釜山広域市発行の月刊日本語広報誌「ダイナミック釜山」9月号(タブロイド判4ページ)の1面トップ見出しは「『釜山と日本』外交問題はねのけて、民間交流の継続を」。2面には「今こそ、安全な釜山で快適な旅を楽しもう」の見出しを付けた記事が掲載され、「街は安全」と語る日本人観光客の声を載せている。
釜山市長は、大統領と同じ親北左派の与党に所属する。自国民には日本に行くな、日本ブランドの製品を買うな、という運動をさせながら、日本人に向けて旅行に来てください、と言うのはいかにも虫のいい話ではある。しかし、日本人観光客に危害を加える気はない、という思いだけは信じてもいいのではないか。
誤解のないように書いておくと、私は韓国にシンパシーを感じている訳ではない。韓流ファンでもなく、ドラマは見ないしアイドルに興味はない。辛い食べ物が好きなだけのおじさんだ。食べ物に罪はない。ハングル文字を覚えたのも食堂を探し、メニューを読むため。現政権は感情的で稚拙の極みだと思っている。(A)=フリーライター(元全国紙記者)、50代・男
◆記事最上部の写真は、東大門
[旅行=関係最悪の今、韓国に行ってきた]記事一覧
(1)釜山-慶州-ソウルの縦断に出発
(2)秋夕で飲食店は軒並み休業
(3)総領事館前の“慰安婦像”
(4)釜山から慶州に足を伸ばす
(5)釜山駅からKTXでソウル駅へ
(6)KTXでソウル駅到着、明洞に
(7)ソウルでも不快なことはなし★表示中★
(8)まとめ、秋夕に注意/観光客は歓迎